2025年9月22〜26日の米国株式市場では、S&P500が週間を通じて0.31%の下落を記録しました。
9月22日までは堅調さを見せたものの、Fed(米連邦準備制度)のパウエル議長が「“Equity prices are fairly highly valued.”と発言。
上記を「株価は過熱気味」と捉えられたため、投資家心理が冷え込み、週を通じて軟調な展開となりました。
今週のS&P500の値動き
S&P500の週間推移は次のとおりです。
日時 | 値動き |
---|---|
9月22日(月) | ・6,693.75で取引を終え、週のスタートは高値圏を記録 |
9月23日(火) | ・パウエル議長の発言を受けて売りが広がり反落 |
9月24日(水) | ・投資家は追加の金融政策見通しを見極める姿勢を強め、小幅な下落を継続 |
9月25日(木) | ・終値は6,604.72となり、週内安値を記録 ・ザラ場では6,569.22まで下げる場面も |
9月26日(金) | ・買い戻しが入り6,643.70で引けましたが、週間では-0.31%の下落で終了 |

パウエル議長の発言と市場の反応
9月23日にFedのパウエル議長は、ロードアイランド州のGreater Providence Chamber of Commerce(プロビデンス商工会)で次のように述べました。

“Equity prices are fairly highly valued.”
(株価はかなり割高な水準にある)
また、次のような論点も提示しました。
- 現在の金融状況について「金融の安定性リスクが高まっている時期とは言えない」と表現
- 政策運営は「慎重に進める」と強調し、追加利下げを急がない姿勢を示唆
- インフレと雇用の双方にリスクがあると指摘
上記から「株価は過熱気味」と受け止められ、投資家心理が冷え込みました。とくにテクノロジー関連株の売りを加速させ、週後半の市場全体の軟調さにつながったとみられます。
原油価格の高止まり
今週の米WTI原油先物価格は、1バレル=62〜65ドルのレンジで推移し、高水準を維持しました。
その背景は以下のとおりです。
- ロシアからの供給減少懸念が継続
- OPEC(石油輸出国機構)とOPECプラスが減産を継続
- イラク北部のクルディスタン地域からの原油輸出再開が停滞
トランプ大統領がEU諸国に対してロシア産エネルギーの購入停止を呼びかけたことが、供給制約の懸念を一段と強めました。また、OPECとOPECプラスが減産を続ける姿勢を示したことも価格を押し上げました。
さらに、イラク北部のクルディスタン地域からの原油輸出再開が滞っている点も、一時的な供給不安となっています。これら3つの要因が相場を支えています。


今週の総括と投資戦略
株式市場はパウエル議長の発言をきっかけにテック株中心に売られましたが、金やエネルギー関連資産は堅調に推移しました。その結果、ゴールドや資源ファンドへの投資が追い風を受ける形となりました。
一方、テクノロジー株については様子見を続けてきましたが、週末にかけては一部のAI関連銘柄の決算が下支えとなり、PER30近辺では底堅さも見られます。



今後はゴールドやエネルギーを軸としつつ、米国株が金の上昇を上回るタイミングでテック株を組み込み、ポートフォリオを再調整していく方針です。
来週の注目点
来週は雇用関連データやインフレ指標が発表予定で、市場は再びFedの政策スタンスを意識する展開となるでしょう。
投資家としては、守備的な資産を確保しながら、株価下落局面での機会を狙う戦略が求められます。




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