「給料は増えたけど物価高で苦しい」
「海外旅行をしてもコスパよく楽しめない」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
労働者が受け取る賃金は回復傾向にありますが、物価上昇を考慮すると手元に残る賃金は減少しています。
そこで本記事ではノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センの思想をもとに、自由を基準にした新しい資産形成の考え方を解説します。
投資を検討していて円建ての不安や税金の高さ、ファンドの少なさなどに悩んでいる人にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
日本の資産形成での見落とし
日本では資産の価値を、持っている金額で判断する傾向があります。しかし、円の価値が下がりつつ物価高の状況においては購買力が低下するため、お金が増えてもQOLは向上しません。
たとえば、海外では円の価値が下がれば、以前ほど物が買えません。資産額は変わらなくても、旅行や留学、海外移住などの選択肢は狭まり、ハードルが高くなります。円の価値が高いときに比べて、金額と自由が一致しなくなるのです。
さらに、日本の資産形成は税制や社会保障制度に強く依存しているため、政府の方針により生活設計が大きく左右されます。国内に縛られた資産構造だと、個人が選べる将来の選択肢が制度によって制限されるでしょう。
また、国内中心の投資だと、日本経済・日本円の動きに大きく影響されます。その結果、資産は増えているが、世界基準での購買力は落ちている状況に陥りやすくなります。このように資産を金額だけで判断すると「自由の量」が見えなくなってしまいます。
アマルティア・センが提示した潜在能力アプローチ
彼が提唱した潜在能力アプローチは、不平等を「どれだけお金を持っているか」ではなく「どのような生き方を選べるか」という自由の広さで捉える考え方です。
この視点では、資源や所得の多さではなく、それをどれだけ自由に変換できるかが豊かさの源になります。
潜在能力は、次の2つの要素から成り立っています。
- 実現している行動や状態を示す機能
- 価値を感じる生き方を選べる可能性
上記の①は健康や教育を受けられることなど、自身ができていることを指します。②は働き方や住む場所などを選べる自由です。
彼は資産を「自由に変換できる力」こそが、人がよりよく生きるための指標だと指摘しました。
これまでの資産の見方とアマルティア・センの価値観の違い
従来の資産価値の考え方は、お金や物などを「どれだけ持っているか」でした。しかし、彼は資産を「どれだけ自由に変換できるか」によって価値が変わると指摘しました。
この違いは、資産の量だけでは豊かさを測れない理由を理解するうえで重要です。両者の違いを以下にまとめました。
| 比較ポイント | 従来の価値観 | センの価値観 |
|---|---|---|
| 判断基準 | 資源の量 | 自由の量 |
| 価値の源泉 | 所得・貯蓄 | 選択肢の広さ |
| 注目点 | 資産額 | 資産の使える価値 |
| 問題点 | 状況の無視 | 個々の状況の反映 |
資産額が同じでも、足が不自由な人は自転車を「移動の手段」に変換できないように、資源の価値は人によって変わります。
資産形成に当てはめると何が見えてくるのか
アマルティア・センの理論を資産形成に活用すると、以下の重要な視点が見えてきます。

資産の本質は「どれだけ自由を生み出すか」です。資産額が同じでも、通貨の価値が下がれば海外で使える金額は小さくなり、自由度が減ります。
また金融商品の選択肢が少なければ、将来の選択肢も制限されます。つまり資産は、持っている金額ではなく「自分の人生にどれだけの選択肢を追加できるか」で考える必要があります。
オフショア投資は「自由を増やす投資」
オフショア投資は、利回りの高さだけが利点ではありません。本質は「自由を増やせる」ことです。
具体例を以下に示しました。
| 自由の種類 | 海外投資で得られる変化 | 国内投資で得られる変化 |
|---|---|---|
| 通貨 | 円安の影響を受けにくい構造 | 円安・インフレの影響を受けやすい |
| 投資先 | 200種類以上のファンドへアクセス可能 | 日本株・国内投資信託が中心 |
| 将来設計 | 成長性の高いファンドへの投資 グローバルな資産分散 | 日本の制度や金利の影響を受ける |
アマルティア・センの「潜在能力=選択肢の広さ」を応用する手段として、海外投資は極めて合理的です
まとめ
アマルティア・センの思想は、資産形成の基準を「資産額」から「自由の量」に変える重要性を教えてくれます。海外投資はあなたの自由を増やす選択肢のひとつです。
しかし、何から始めればよいのかわからない方や、今の投資方針が合っているのか不安な方もいるでしょう。
ご自身の資産がどれだけ自由を生み出せるかを確認したい方は、無料診断で最適な方法をチェックできます。
自分の状況に合った選択肢を専門家に見てほしいと思う方は、ぜひ気軽にお声がけください。

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