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S&P500が6ヶ月連続の最高値更新!AIブームと利下げが後押し(10/27〜10/31)

S&P500が6ヶ月連続の最高値更新

2025年10月27〜31日のS&P500(米国株価指数)は上昇を続け、10月単月では+2.3%でした。これで6ヶ月連続の上昇です。

ハイテク株に勢いがあり、ナスダック総合指数は週次で+2.3%、月間では+4.7%でした。この背景には、FRB(米連邦準備制度)による政策金利の0.25%引き下げと、大手企業の好決算があります。

今回は10月27〜31日までの米国株式市場の動きをまとめ、今後の注目ポイントを解説していますので、ぜひご覧ください。

Ninomiya

IFAが資産形成に役立つ情報を発信しています。S&P500に関する他の記事もありますので、この機会に覗いてみてください。

目次

経済指標と主要トピック

まずは10月27〜31日の経済指標の主要トピックとして、以下の2つを解説します。

  • FRBの金融政策
  • 主要企業の決算

FRBの金融政策

10月29日(水)にFRBは政策金利を0.25%引き下げ、3.75〜4%とすることを決めました。9月の会合に続き、2ヶ月連続の引き下げでした。

雇用市場の弱含みが続いているなか、利下げにより景気を下支えするのがよいと判断したようです。また、パウエル議長は追加利下げについて、以下のように述べています。

パウエル議長

12月の追加利下げは確定ではない

追加利下げへの見通しが不透明になっていましたが、AI関連銘柄の取引は活発で、金融緩和継続への期待感が市場を支えました。

参考:Weekly Market Recap | 政策金利の利下げについて

主要企業の決算

10月28日(火)以降、S&P500構成銘柄の約3分の2が第3四半期決算を発表。

AmazonやAppleなどが市場予想を上回る好調な業績を示し、株価を押し上げました。(Amazonの第3四半期の売上高は1802億ドル、市場予想値1779億ドル)

とくにAmazonは、AWSの売上が前年同期比+20%となり、株価は9.6%急騰しました。一方、MetaとMicrosoftはAI事業への大型投資が嫌気され、株価が一時下落しています。

参考:SECTIONS | Amazonの成長業績

Amazonのチャート
出典:Google Finance | Amazonのチャート
Appleのチャート
出典:Google Finance | Appleのチャート
Metaのチャート
出典:Google Finance | Metaのチャート
マイクロソフトのチャート
出典:Google Finance | Microsoftのチャート

週次の主な動き(10月27日〜31日)

S&P500の週間推移は次のとおりです。

スクロールできます
日付主な出来事
10月27日(月)・FRBの12月利下げ観測が強まり、追加利下げ期待が拡大
・米中関係の緊張も一時緩和
10月28日(火)・S&P500銘柄の約3分の2が決算発表
・予想を上回る業績が続出
10月29日(水)・政策金利を0.25%引き下げ、パウエル議長は慎重な姿勢を維持
・NASDAQは週次+2.3%
10月30日(木)・Meta、Microsoftが決算発表
・MetaはAI投資で株価下落
・Microsoftは予想未達
・Amazonは好決算で+9.6%
10月31日(金)・S&P500とNASDAQが史上最高値更新
・AMDは月間+58%
・Netflixは株式分割を発表

10月全体では、S&P500が+2.3%、NASDAQが+4.7%上昇しており、月間ベースで6カ月連続の上昇は2018年以来の記録です。

金融業従事者向け分析

金融業の従事者向けに、市場構造の変化とマクロ経済動向を分析しました。それぞれご覧ください。

市場構造の変化

2025年10月27〜31日のS&P500は大型株が中心に上昇しました。時価総額加重指数が上昇した一方で、均等加重指数は2.68ポイント低下しました。

実際に上昇したのは11セクター中4セクターで、AI関連企業「Magnificent Seven」が市場を主導しています。

決算ではS&P500企業の約83%が予想を上回り、サプライズ率は今期6番目の高さとなる見込みです。

AmazonやAlphabet(Google)は予想を超え、MetaとMicrosoftはAI投資で一時株価下落しました。一方、NVIDIAが時価総額5兆ドルを突破し、市場の象徴的な存在となりました。

参考:Reuters | 市場週次の展望
参考:T.RowePrice | Global markets weekly update

マクロ経済動向

2025年10月最終週の米国市場では、金融政策の方向性とAI投資動向が大きな焦点でした。

FRBが12月の追加利下げを明言しなかったため、金融政策の先行きに対する不透明さが残っています。市場では「利下げペースが鈍化すれば株価上昇も落ち着く」との見方が強まりました。

一方、AIブームにともなう投資拡大が続いており、テクノロジー企業の資本支出が増加。この支出が利益構造を長期的に改善するか、過剰投資として重荷になるか注目されています。

さらに、インフレ鈍化と住宅賃料の下落が進み、商業不動産市場では空室率の上昇や借入コストの増加が懸念されています。

これらすべての要因が銀行の与信リスクを高め、企業の投資マインドを冷やす可能性も指摘されています。

参考:Reuters | 市場週次の展望
参考:Weekly Market Recap | 政策金利の利下げについて
参考:The Economic Times | 米国株式市場2025年11月予測

今後の注目点

今後の市場で注目すべきテーマは、次の3つです。

  1. 12月FOMC(連邦公開市場委員会)の利下げ幅(0.25% or 据え置き)
  2. 年末相場(クリスマスラリー)の動向
  3. AI関連企業の収益構造変化

歴史的に年末は株価が上がりやすい傾向があります。2025年はすでに年間+16%になっており、これ以上の上昇余地をどのように評価するかが市場の関心となっています。

筆者の投資戦略

10月の金価格急落以降、市場は落ち着きを見せていますが、短期的な高騰は難しいと判断しています。そのため、米国株式とインド株式への資金シフトを検討中です。

ただし、パウエル議長の金利引き上げを示唆するような発言を受け、株価の上昇余地は限定的と考えています。

Ninomiya

現状では「株式を追加購入するか」「債券や現金を保有して利益確定に動くか」の判断が悩ましい局面です。

守りと攻めをバランスよく保ちながら、年末相場では短期リバランスと利益確定を優先する方針です。

まとめ

10月27〜31日の米国市場は、金融政策の緩和・好決算・AIブームの三拍子で記録的な強さを見せました。

一方、大型株偏重・利下げペースの不透明さ・投資過熱懸念もあり、年末に向けた慎重な対応が求められます。

本メディアでは、今後もIFAが資産形成に役立つ情報を発信していきます。最新の投資情報を知りたい方は、ぜひ次週レポートで学習してみてください。

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監修者

1981年生まれ。2009年に保険業界へ転身し、2013年に証券外務員資格を取得。あいざわ証券・SBI証券のIFAとして活動後、2016年にエストニアで起業し金融商品仲介業を取得。2020年に日本でセミナー会社を設立、投資教育事業を展開。2023年、日本金融庁より投資助言業を正式に登録し、海外金融に携わり続けている。現在は全国・世界各地の個人投資家にアドバイスを行い、クライアント数は約10,000人にまで拡大。

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