
IUL保険って何?
どのようなリスクがあるの?
こういった疑問を解決する記事です。
- IUL保険の特徴
- IUL保険の主な注意点
- IUL保険を提供している生命保険会社
- 日本の変額保険とIUL保険の違い



はじめまして。投資助言業や金融商品仲介業などを営んでおります、二宮利徳と申します。この記事の監修者です。
2009年より保険業界へ転身し、2013年に証券外務員資格を取得。あいざわ証券・SBI証券でIFAとして活動後、エストニアで起業。2020年には日本で法人設立し、金融教育事業を展開し、海外金融に携わり続けています。
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IUL保険(Indexed Universal Life Insurance)とは


IUL保険(指数連動型終身保険)とは、死亡保障を持ちながら、運用益がS&P500やNASDAQ-100などの株価指数に連動して増減する積立型の生命保険です。
株価指数に連動するため、資産を増やすには長期保有とインデックス上昇が前提となることを十分に理解する必要があります。また、IUL保険には最低保証利率(フロア)と上限利率(キャップ)が設定されています。
- 最低保証利率(フロア):株価暴落時の運用金利の最低ライン
- 上限利率(キャップ):株価高騰時の運用金利の最高ライン
この2つの機能により、運用金利に天井がある代わりに、株価指数の暴落があってもマイナスになりにくい防衛型の資産形成ができる場合があります。
詳しくは後述しますが、運用金利はマイナスにならないだけで、株価指数が横ばいならば、運用にかかる諸費用により元本割れするリスクがあることに注意しましょう。
IUL保険は、日本国内の生命保険会社では販売されておらず、加入するためにはオフショア投資を検討しなければなりません。
IUL保険の5つの特徴


IUL保険の特徴として、次の5つを紹介します。
- 最低保証利率(フロア)が設定されている
- 上限利率(キャップ)が設定されている
- 保険料の増減と一時停止ができる
- 死亡保険金を増減できる
- 運用益の課税を繰り延べられる
最低保証利率(フロア)が設定されている
最低保証利率(フロア)は、株価指数がどれだけ暴落しても、その年の運用金利が、指定された最低ラインを下回らない機能です。一般的にフロアは0%に設定されており、株価指数がマイナスの年は、金利0%として処理されます。
前年までに増えた分の資産は、新しい元本として固定されるため、過去の利益が株価指数の暴落によって消し飛ぶことがありません。そのため、IUL保険は資産の防衛につながりやすいといえます。
ただし、IUL保険では、死亡保障費用や運用手数料が毎月かかります。株価指数が暴落してフロアが発動した年は、運用益が0円なのに諸費用だけが引かれ、口座残高も減少します。
上限利率(キャップ)が設定されている
上限利率(キャップ)は、連動する株価指数がどれだけ高騰しても、その年に付与される運用金利の最大値を制限する機能です。
たとえば、キャップが9%に設定されている場合、株価指数が+15%になっても、その年の金利は9%に制限されます。キャップの数値は、保険会社の裁量によって毎年見直されます。
そのため、経済状況や保険会社の運用成績によっては、数値が低くなる可能性があることも理解しなければなりません。
保険料の増減と一時停止ができる
IUL保険では、ライフステージや経済状況に合わせて「増額」「減額」「一時停止」を自由に選択できます。
また、お子さんの教育費や契約者の転職・減収などで家計が苦しいときは、保険料の減額や一時停止をすることで、解約せずに契約を続けられます。
ただし、減額や一時停止を長く続けると、積立金から手数料が引かれ、資産が減るリスクがあるため注意しましょう。
死亡保険金を増減できる
IUL保険では、保険料だけでなく、死亡保険金も契約者自身の意思で増減できます。
この機能により、人生の責任が重くなったときに保障を増やし、保障を増やす必要がなくなったタイミングで減らせるようになります。
- ▼死亡保険金を増やす
-
結婚したときやお子さんが生まれたとき、住宅ローンを組んだときなど、被保険者に万が一のことがあれば、残された家族の負担が重くなるタイミング。
- ▼死亡保険金を減らす
-
お子さんが独立したときや住宅ローンの負担が軽くなったときなど、大きな保障が不要になったタイミング。
ただし、死亡保険金を増やす=保険会社にとっては保険金の支払いリスクが高まるので、申請時には健康状態の審査が必要になる場合があります。
運用益の課税を繰り延べられる
IUL保険では、どれだけ運用益が出ても、解約してお金を引き出すまでは課税されません。これはIUL保険を提供している保険会社が籍を置く国・地域の制度が影響しています。
たとえば、アメリカでは内国歳入法という法律に基づき、「生命保険の運用で増えた運用益には、解約するまで税金を課さない」と決められています。また、オフショア地域のIUL保険の場合、税制優遇措置により運用益が非課税になる仕組みです。
日本居住者は引き出し時に税金がかかりますが、少なくとも運用中は税金分の資金を、翌年の運用に回せるため、複利効果を高めやすくなる場合があります。
IUL保険の主な注意点


IUL保険の主な注意点を2つ紹介します。
- 引き出し時には利益に対して税金がかかる
- 株価指数が横ばいだと失効リスクがある
引き出し時には利益に対して税金がかかる
日本居住者がIUL保険の解約返戻金を受け取る場合、日本の法律に則り、利益に対して税金がかかります。税区分を「一時所得」または「雑所得」として税務署に申告します。
1年間に得た複数の所得をすべて足し合わせ、その合計額に対して税率が決まる「総合課税」となるため、税率は最高で55%(所得税45%・住民税10%)です。
引き出し方によっては、特別控除を利用して税金を抑える方法もありますので、ぜひ以下の記事もご参考ください。


ただし、日本の法制度の変更によって、最適な出口戦略は変わる可能性があります。専門家に相談したうえで、引き出し方法を検討するのが望ましいでしょう。
株価指数が横ばいだと失効リスクがある
IUL保険には、株価指数が長期間成長していないと、失効リスクがあることも理解しなければなりません。
IUL保険では、株価指数がマイナスの場合でも、フロア機能により、その年の運用金利が0%になります。つまり、株価暴落による資産のマイナスを避けることが可能です。
株価指数の低迷が長期間続くと、積立金がなくなって手数料が払えなくなるため、最終的には契約が失効するリスクがあります。
あくまで長期保有と株価指数の上昇が前提となることを理解し、専門家に相談したうえで、自己責任・自己判断で検討することが重要です。
IUL保険を提供している生命保険会社
IUL保険を提供している生命保険会社を紹介します。
日本人には馴染みが薄いですが、オフショア投資業界で有名なのが「パンアメリカン・ライフ」です。
パンアメリカン・ライフ


パンアメリカン・ライフは、1911年にアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズで設立された大手生命保険グループです。格付け評価として、A.M. Best社から「A」、Fitch社から「A」を獲得しており、国際的な評価が高い生命保険会社といえます。
同社の代表的なIUL保険には「グローバルアセットIUL」があります。一生涯の死亡保障と資産形成の両立を目的とした米ドル建ての保険商品です。
運用口座はインデックスアカウント3つと、固定金利アカウント1つから自由に分配できます。インデックスアカウントに連動する株価指数は、以下のとおりです。
- S&P500
- Euro Stoxx 50
- Hang Seng Index
パンアメリカン・ライフの会社概要や、提供しているIUL保険商品「グローバルアセットIUL」の特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。


日本の変額保険とIUL保険の違い


日本の変額保険とIUL保険は、どちらも株価指数に連動して資産が増減しますが、その仕組みは以下のように異なります。
| 項目 | 日本の変額保険 | IUL保険 |
|---|---|---|
| フロア機能 | ⚠️なし | ✅あり(0%保証) |
| キャップ機能 | ✅上限なし | ⚠️上限あり(8〜10%) |
| 支払いの柔軟性 | ⚠️変更しにくい | ✅柔軟に変更できる |
| 死亡保険金の減額 | ⚠️原則固定 | ✅増減可能 |
| 引き出し | ⚠️引き出すと課税 | ✅引き出すと課税(日本居住者) |
日本の変額保険にはフロア機能がないため、株価指数が下がれば、解約返戻金も減ります。しかし、運用金利の上限がないため、株価指数の上昇の恩恵を受けやすくなります。
一方、IUL保険はキャップ機能があり、株価指数がどれだけ上昇しても、得られるリターンは制限されます。ただし、フロア機能により株価指数がどれだけ下がっても、資産は守られやすくなるでしょう。
ただし、株価指数の横ばいが続けば、諸費用の支払いにより資産が減るリスクがあることも理解する必要があります。
まとめ
IUL保険は日本の変額保険と同じく、株価指数に連動して資産が増減する仕組みです。変額保険と違い、フロア機能が備わっているため、資産を増やすよりも守りたい富裕層に向いているといえるでしょう。
また、株価指数が上昇していること・長期保有することが前提となるため、株価指数が下がったときの失効リスクもつきまといます。
ご自身の目的やリスク許容度に合っているかを確かめ、専門家に相談のうえ、自己責任・自己判断で検討することが大切です。
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