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▼海外積立の構造

支払い額の変更、停止などの操作

契約によって期間の長短はあるものの、どの会社も約二年間ある初期口座期間中は、解約以外には増額しかできません。減らしたり止めたりと、投資に対して弱気な行為は一切できないのです。

しかし、初期口座期間が終わると、いろいろとフレキシブルに動かせるようになります。
それが増額、減額、支払いの停止、部分解約、一括金振込、払済になります。

増額、減額は月々の積立額を変えることですね。


国内投資における海外積立との比較検討対象としては、変額保険ではなく積立NISAが妥当だと私は思っているので、これくらいできなければ困ります。

支払いの停止は積立を一定期間中止することですが、これについては、少し気をつけなければならないので、解説します。

まず、支払い停止をすると、停止した年数の分だけ、満期、つまり解約違約金が消えるまでの期間も伸びます。

インベスターズトラストやプレミアトラストの場合は15年で消えるので、3年停止した場合は、18年経たないと解約違約金は消えません。

言い換えると、満期とは口座を維持した期間ではなく、あくまで積立てた期間なのです。

また支払いを停止した期間中も運用はされますが、それまで積立によって発生していたアロケーションボーナスが消えるので、手数料が相殺されず、そのまま利回りから引かれる点にお気をつけください。

とはいえ、どうしても支払えない場合、支払い停止は極めて有効な手段です。先々に支払い可能となるならば、解約などせずに迷わず停止するべきでしょう。

部分解約

正式名称が部分解約なだけで、実際は口座に溜まっている資産から一部分を引きだし、日本、あるいはその他の国の銀行口座に着金させる作業です。

気をつけなければならないのは、任意の時点で引きだせる金額は『総資産ー解約違約金』
になるので、積立て開始から早い時期では、多くを引きだすことはできません。

また解約違約金が膨大な会社の商品は、10年、20年と積み立てていても、ほとんど引きだすことはできません。

一括金投入

これは操作の正式名称ではないのですが、部分解約、つまり資産の引き出しができるということは、資産の投入もできます。

保険会社によりますが、最低投入額〇千ドルという条件で、これまで積み立てによってつくった資産に一括で資金を足すことができます。

それができない会社やプランの場合は、一ヶ月、あるいは数ヶ月の積立金額を大きく増額させることにより資金の一括投入可能になります。

例えば、300ドル/月で積み立てている人が、臨時収入を得て30,000ドルを口座に投資したいという場合、30,000ドル/月に一時的に増額させて、翌月また300ドル/月に減額すればいいのです。※初期口座期間中は積立金額の増額後の減額が出来ないのでご注意ください。

とはいえ30,000ドルを引き落とせるクレジットカードをお持ちの方はなかなかいらっしゃらないと思いますので、この場合の支払いは≪海外送金による口座振込≫をするか、クレジットカードの限度額が10,000ドルだった場合、増額を10,000ドル/月にして、3ヶ月に分けて支払うという方法を取る必要があります。

一刻も早く一括金を口座に乗せて運用したい場合は海外送金、クレカのポイントが欲しい場合は分割引き落としという方法が有効になるでしょう。

※アメリカンエキスプレスは一時的に限度額を無制限に引き上げられます

払済

これは日本の終身保険などでも利用される方法ですが、ある時点で支払いを止めてしまい、それまで積立てた金額をその時点から満期まで運用する操作です。

一見、ただ支払いがなくなり資産が運用されるように聞こえますが、ここでも、積み立てた金額全てがそのまま運用されるわけではありません。

それまで積立て運用した総資産は、その時点での解約違約金を引かれて少し目減りした状態から運用されます。つまり満期直前の払済であれば、ほとんど目減りすることなく、積立停止後、運用に持っていくことができます。

ですが、やはり支払い停止と同じく、アロケーションボーナスを失い、手数料をダイレクトに運用利回りから引かれることになります。
払済にした口座はそのまま解約されるまで残ります。