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仕組債とはなにか?

いま日本では、NISA(少額投資非課税制度)や
iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)などを筆頭に
投資に関心を持つ人が増えてきています。
関心を持つと、
まずは投機と投資の違いを知り、
株式と投資信託に違いについて理解します。
実際に運用し、投資する金額が大きかったりすると
リスクヘッジの目的で
債権に投資することでしょう。
そんな中で「仕組債」というものに
あなたは出会うはずです。
証券会社のホームページで
高利回りな債権の広告を既に目にした方も
いるかもしれません。
今回は
「仕組債」とはどういったものか?
報酬を得る仕組みは?
どういうスタンスで取り扱えばいいのか?
について解説していきます。
こちらを読み終えると
仕組債のリスクを把握し、
仕組みを理解し、
取り扱えるようになることで
あなたの富を得る、もしくは富を守る選択が
とれるようになります。
仕組債とはなにか?
「仕組債」を一言で表すなら
「債権×デリバティブ」のことです。
デリバティブとは「金融派生商品」のことです。
つまり、仕組債は債権から派生した金融商品になります。
債権を使って
どのような仕組みで商品化したか?
それを理解するには
行使価格
ノックイン
ノックアウト
この3点を把握する必要があります。
行使価格とは
仕組債を取引する際に
いくらで取引するかを定めた金額です。
ノックインとは
行使価格の60%(%は商品によって様々)という基準のことです。
その基準を下回り、額面100%で満期償還せずに90%で償還すれば
10%の損失が出ます。
ノックアウトとは
行使価格の110%(%は商品によって様々)という基準のことです。
その基準より上回れば早期償還が発生します。
早期償還とは、満期償還前の償還のことです。
たとえば、
行使価格が1000円
ノックインが60%
ノックアウトが110%
の場合は
ノックイン価格が600円
ノックアウト価格が1100円
になるので
1100円を上回れば、早期償還し10%の利益。
600円を下回り、満期償還時が100%以下なら元本割れが発生し
損失が出ます。
以下の図解もありますので理解のお役に立てれば幸いです。
このノックアウトやノックインの水準を決めるのは、仕組債を発行する海外金融機関ではありません。
アレンジャー(証券会社等)が投資家のニーズに合わせて決めます。そして、調査(アレンジ)されたら、販売会社(証券会社等)によって売られます。
【仕組債の流れ】
仕組債発行(海外金融機関)
アレンジャー(証券会社等)
販売会社(証券会社)
私たち投資家
仕組債の種類は、大きく分けるとするなら、為替系、株式系、金利系、クレジット系等の5種類です。
その中でも株式系の仕組債の
・指数連動債(リンク債)
・他社株転換条項付社債(EB債)
が有名です。
・指数連動債(リンク債)
日経平均株価などのインデックスが
ノックインを下回らなければ、元本確保して高いリターンを期待できる。
ノックインを下回る場合は下落分の損失発生。
・他社株転換条項付社債(EB債)
対象の株式が
ノックインを下回らなければ、元本確保して高いリターンを期待できる。
ノックインを下回る場合は下落分の損失発生。仕組みはリンク債と同じですが、下落分の損失の計算が「額面×(最終価格/行使価格)です。現金だけではなく株式で償還されることも特徴です。
まとめますと、
「仕組債」は
国債等の債券などに比べると
不確定要素(リスク)が多い
投機的要素が強めの金融商品になります。
当然ですが、債券同様、
発行者の倒産などによって債券の利払いや
元本の償還が履行されなくなる「信用リスク」。
外貨建ての債券の場合は「為替変動リスク」。
債券の流通市場がなかったり、市場環境の変化による「流動性リスク」。
こちらのリスクが存在することも
頭にいれていただければ幸いです。
決して
利回りが高い債券ではありませんので
そのような勧誘を受ければご注意ください。
もし、「仕組債」を購入する場合は投資ではなく投機であることを自覚して取り扱うようにしましょう。