COTレポートとは何か?
Financial level 【technical 4】
それは、CFTC(米商品先物取引委員会)が毎週金曜日に発行する、CME先物市場における各トレーダーの建玉を集計したレポートのことです。
このレポートには、各トレーダーのポジション保有状況や、 人数、 取組高などが記載されています。
つまり、COTレポートを分析することにより、相場のプロフェッショナル達の保有しているポジションの状況が分かるということです。
このポジションの動向を見ていくことで、相場の流れを読む事ができ、大まかな資金の流れを把握できます。
ただ表面上の値動きを見てトレードするよりも、内部の動きが把握できるため確実に優位性がUPします。
レポート内容はこんな感じ↓
JPY先物(旧フォーマット)
JPY先物(新フォーマット)
米国の毎週火曜日の取引終了後に、CME先物取引所は市場参加者のポジション保有状況を CFTCへ報告します。
日本時間では水曜日のAM7:00時(標準時間)
その集計結果を、CFTCが整理し公開したものがCOT(Commitments of Traders)レポートです。
つまり、私たちは毎週水曜日AM7時時点での各ポジション動向を、週末に知ることができるのです。
この情報は注目度が非常に高く、全ての市場参加者が参考にしており、トレードしていく上でとても重要になってきます。
COTレポートのカテゴリー
トレーダーは3カテゴリーに分類されています(旧フォーマット)
- 商業筋(Commercial)
実需に基づいた取引を行う企業(ヘッジ目的) - (例) 生産者(金 原油 農家)、 グローバル企業
- 非商業筋(Non-commercial)
値動きを分析し利益を追求するプロフェッショナル(流動性を提供) - (例) ヘッジファンド(いわゆる大口投機筋)
- その他(Nonreportable)
報告義務が無く、一般的に小口投資家と言われている - (例)個人投資家
個人的に注目している項目
個人的には大口投機家と呼ばれている、非商業筋(Non-commercial) の動向に注目しています。
なぜかというと、大口投機家は一般的にプロフェッショナルたちが集まって値動きを分析し、その結果に基づいてポジションを持つからです(マーケットの縮図の様な感覚)
値動きはすべてを織り込んでいると言われるように、このポジション動向も様々な思惑が織り込まれています。
それに対して、商業筋はビジネスを安定化させる上でのヘッジが目的なので意図が読みにくいです。
また、商業筋は基本的に売りでヘッジをかけますが、このポジションは将来の買戻し圧力として機能しません。
なぜかというと、現物で決済ができるからです。
例→GOLDの採掘者は、市場で将来の価格をヘッジし、現物のGOLDで決済できる
対する投機筋のポジションは、現物決済ができないため、将来的に反対売買圧力として作用します。
特にファンドには個人投資家と違い決算があるので、決算に向けポジションを利確(整理)しなければいけません。
また、比較的多くのポジションを保有する大口は、それを決済する相手がいなければポジションを裁くことができません。
自分が多くのロングポジションを保有しているときに、市場のキャパがいっぱいになってしまうと、売りたくても買い手が少ししか余っていないため、売りたい値段で決済することができなくなるのです。
よって、市場参加者の多くのポジションがロングやショートに偏ると、決済が発生しやすいといった特徴もあり、逆張り指標として機能します。
これはCOTレポートの大口投機家における、ネットポジション(買ポジ-売ポジ)とGOLDの値段を比較したチャートです。
GOLD(3日足)
見ての通り大口のポジション動向とGOLDの値動きは相関しています。
この推移を見ながら、現在の値段を動かしている背景には何があるのか考えています。
- 新規のロングなのか?売り手の買い戻しなのか?
- ロングとショートの差はどうなっているか?
- 大口のポジションに余裕はあるか?
- どの価格帯から買いにきているか?
- 取組高は増えているのか?
- トレーダーの推移はどうなっているのか?
- どこから資金が抜けているのか
など、色々考えながらトレードしています。