スキュー指数とは
スキュー指数(skew index)は、市場のゆがみを指数化した指標です。スキューとは「ゆがみ」を意味します。「ブラックスワン」と呼ばれる、起こりえないことが起こって、起こった時の衝撃が強い事象や、「テールリスク」と呼ばれる、発生する確率は低いですが発生した場合に巨大な損失をもたらすリスクが起こる可能性を示す指標として注目度が高い指数です。
スキュー指数は「ブラックスワン指数(black swan index)」とも呼ばれています。
スキュー指数の計算方法
スキュー指数は、シカゴオプション取引所算出・公表している指数です。S&P500のアウトオブザマネーのオプション価格から市場の歪みを指数化しています。簡単には、コールオプションのボラティリティからプットオプションのインプライドボラティリティを差し引いて算出されていますが、計算方法は複雑です。
スキュー指数の水準と見方
スキュー指数は、オプション市場で大きな価格変動リスクに備える取引が増えると上昇します。つまり、ブラックスワンやテールリスクが起こる可能性が高まっていると予想している投資家が増えると上昇する指数です。
スキュー指数は100がフラットの状態で、100より高ければコールオプション(買う権利)よりプットオプション(売る権利)が買われている状態で、プットオプションのボラティリティが上がっていますので、ブラックスワンやテールリスクへの警戒が強まっていることを示します。スキュー指数は、英国でブレクジットが決定された時は、153.66まで上昇しました。
一方で、スキュー指数が100を切ることはまずありません。オプションは急落時の保険として使われることが主ですので、プットオプションの方が多いことが普通です。ゆえに、通常は100以上で推移します。
急落を予兆するスキュー指数とVIX指数・急落前の高水準
スキュー指数は、スキュー指数と同様のボラティリティ指数である「VIX指数(恐怖指数)」と一緒に見られることが多いです。
スキュー指数とVIX指数は、どちらもボラティリティの高まりが見れる指数で、それぞれ投資家の不安心理が反映される指数ですので、ボラティリティ指数としてはVIX指数が一般的には有名ですが、近年はスキュー指数も注目度が非常に高くなっています。近年では、2018年の暴落と2020年の暴落をスキュー指数は的中させていますので、特に注目度が高いです。ゆえに、スキュー指数とVIX指数は一緒に見られることが多く、その数値が高水準に上昇してきた際は急落への警戒が高まります。
スキュー指数のチャート(2019年)
赤=S &P500 青=スキュー
スキュー指数のチャート(2018年)
スキュー指数のチャート(2017年)