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スタグフレーションとは?

スタグフレーションとは?

〜コロナ禍の今、世界各国が向かっている(可能性のある)経済状態〜

皆さん、この「スタグフレーション」て言葉どこかで聞いたことありませんか?

おそらくテレビや学校の授業などで、聞いたことがあるような、、、という方もいるかと思います。

そこで今回はこの「スタグフレーション」とは何なのか、について解説しようと思います。

目次(ブログでは目次機能使います)

1.スタグフレーションとはどんな状態?
・スタグネーションとは?
・インフレーションとは?
・発生する理由&要因

2.過去の事例

3.現状〜今後についてと解決策(案)

1.スタグフレーションとはどんな状態?

・スタグネーションとは

今日本を含め、世界各国で大規模な財政出動を展開している状況ですよね。

これは金融緩和とも言われますが、要は政府がコロナによってダメージを受けている企業や国民を支援する、また落ち込んだ経済の回復という名目で、お金を大量にばらまいている状態のことです。

まずこの、何らかの原因により経済が停滞している状態を「スタグネーション(英: stagnation)」といいます。不景気や不況とも言ったりしますね。

また、似たような概念に「デフレ(デフレーション)」や「リセッション(景気後退)」などがありますが、それぞれ「物価が下がる現象」、「景気サイクルの中で定期的に起こる景気後退局面」を意味し、同じ良くない景気の状態に関する言葉でも少し意味が異なるものです。

・インフレーションとは

そしてこの経済の落ち込みからの脱却するための金融緩和の代表的政策である、近年特に先進国に多く見られる、低金利ゼロ金利政策が合わさりダブルで経済(消費や投資)の回復・促進を実施してきています。

コロナの感染状況は国によりまちまちですが、すでにワクチン接種率が一定の水準に達し、経済活動を全面的に再開し始めてる国や地域が出てきています。

日本も例外ではなく、接種率は50%程度とここ1,2ヶ月でかなり早いペースで追い上げてきています。このまま進むともしかしたら、年内に規制を撤廃し経済活動を本格的に再開しようとする動きが出てくるかもしれませんね。

さて、ここで次に迎えるステージはというと、それは「物価の上昇」が一つにあるでしょう。

経済が再開し消費が戻る(増える)と、需要と供給の関係で、物の価格を上がるという現象です。
ただ、これはあくまで理論上の話であって、現実にはそんな単純な条件だけではこのステージ移行がおきないこともあります。そしてこの、物価が上昇する(相対的にお金の価値が下がる)現象を「インフレ(インフレーション)」と呼びます。これは景気・経済が回復しているときによく起こる現象です。

ちなみに補足になりますが、インフレにも種類があり、「ディマンドプル・インフレ(demand pull inflation)」(力強い需要による物価の上昇)と「コストプッシュ・インフレ(cost push inflation」(人手不足からの人件費高騰や原材料価格の上昇など生産コストの上昇によって引き起こされる物価の上昇)とに分かれます。

前者は需要と供給の関係が正常に機能していることによるインフレ、後者は景気の冷え込みからくるインフレといった感じです。インフレの背景にある原因によって経済の健康度をある程度知ることができるとも言えますね。

・発生する理由&要因

そして本記事のテーマである「スタグフレーション(stagflation)」とは(もう皆さんおわかりかもしれませんが)、「スタグネーション(経済停滞)」と「インフレーション(物価の上昇)」が同時に起こる状態のことを言います。

通常、不況時は需要が落ち込むことからデフレとなりますが、原油など原材料価格の高騰などにより、不況にもかかわらず、また景気とは関係なく物価が上昇することがあり、こうした状態が「スタグフレーション」の正体なのです。不況で賃金が上がらないにもかかわらず、物価が上昇するという非常に厳しい経済状態で、1970年代のオイルショック後に日本はこうした状態となっていました。

2.過去の事例

トイレットペーパーの買い占めの記憶で思い出されることが多い1970年代の石油ショックも、実はスタグフレーション現象の一例です。

第一次石油危機が勃発した1974年、日本の実質GDP成長率は前年の+8.0%からマイナス成長に転じました。急激な景気の冷え込みに襲われた日本経済でしたが、石油危機の影響で原油価格が高騰しました。

その影響から1974年の消費者物価上昇率は25%近くまで急騰しました。これとおなじ状況は日本だけでなく、石油を輸入に頼っている国の多くもこのオイルショックによるスタグフレーションに苦しみました。

また、原料価格の上昇以外にも、農作物などの食料価格の上昇、人手不足による人件費の高騰や需要減、原料費圧迫からくる生産高の減少(縮小)などが上記の「コストプッシュ・インフレ」の原因であり、スタグフレーションを引き起こす原因ともなります。

3.現状〜今後の展望と解決策(案)

ここまでの説明を理解していただけたら、「あれ、今の状況もしかしたら危なくないか?」なんて思った方もいるかと思います。コロナで明らかに経済が停滞している感覚はありますし、ニュースなんか見ていても、「半導体」の供給が追いつかなくて自動車の生産が減少・ストップせざるを得ない状況などがポツポツ起きていますね。

もしこのような現象がさらに出てきて、経済が回復しないうちに日常的な消費に大きく関わるサービスや商品の価格が上がっていけば、かなり危ない状況になることが予測されます。

では、是非とも避けたいこの「スタグフレーション」に陥らないためには、どうすればいいのでしょうか。

解決策は今までに多数の経済学者の間でも議論が繰り広げられてあり、いくつかあるにはあるのですが、なかなか簡単には解決できないのが現状かと考えられます。というのも、この「スタグフレーション」は物価の上昇と景気の停滞(消費。経済活動の縮小)というむしろ矛盾的な要素を併せ持っている状態です。つまり、インフレに対する金融(財政)政策もデフレに対する金融(財政)政策もとるにとれないのです。

そこで、これはあくまで僕の考えになりますが、こんなのはどうでしょうか。

例えば「景気(消費)回復のために金融緩和と積極的財政活動を続ける」一方で「特定のモノに頼りすぎない」。これは過去のオイルショックから得られた教訓ですが、物価が上昇しているからといって安易に金融引き締めを行うとそれこそ景気や消費が悪化しかねません。他方、原油や半導体など、特定の原料に頼る生産を見直し、このような突発的で特定的な物価の上昇により受けるダメージを極力抑える。

ただ、いくら議論しても現実に起こっってしまうとそう簡単には適切な策を考え実行することは困難かと思います、それでも、国や企業だけでなく、僕たちも消費者・個人として、状況を注意深く観察し、常に危機意識をもって行動することはできそうです。