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欧州中央銀行量的緩和とダウ下落 12月6日〜11日までの市場分析

12月6日〜11日までの市場分析
欧州中央銀行が量的緩和、ダウが下落
 
ー初級者〜上級者対象ー

 上りにあがっていたダウ平均がようやく下落の兆しを見せました。なぜか、コロナのワクチンが完成したからですね。

 「どうして? 完成したら経済が復興していくから逆に上がるんじゃないの?」

と思われる方も多いですが、これまでの異常な位の日経平均、ダウ平均の上昇は、コロナのワクチンが完成間近であると言う朗報をきっかけにして起こりました。

 そのような期待をもとにしてチャートが上がっていった場合は、実際に完成して期待が実現した場合、上昇が止まると言うことが大いにあります。

 さらに先週も説明しましたが、現状市場は行き過ぎたバブルです。実際の経済とかけ離れた高額の状態でも株価が買われると言う、少し世界の投資家が狂ってきているなと考えてもおかしくないところまで、暴騰していました。

 ここは僕の意見ですが、いつ落ちるのだろういつ落ちるのだろう、早く落ちて欲しい、と今回のバブルで儲けた人は、下落でも儲けようと機会をうかがっていたと思います。

 つまり今回のマーケット心理はこうです。

「株価の暴騰にうまくついていって稼いだぞ、今度はいつ下がるんだ? 下落で売りから入ってさらに稼ぐぞ。ぼーっとしている奴ほど、高騰で得た利益を逃してしまう。下手をしたら利益を失うどころか損益まで出してしまう、間抜けの中に入らないようにしなければならない」

 こんな感じです。なのでここから私は、大統領選前とまではいきませんが、それに近い数値までチャートは下落すると思っています。

(どこまで下がるかは、少しエビデンスが薄いのでまた様子を見ながら予測を更新していきたいと思います)

 もう一つ今週は大きな出来事がありました。
欧州中央銀行(ECB)が量的緩和を決行するという発表しました。
 ではこれでヨーロッパの株価はどうなるのと言う話ですが、私は上がらないと思っています。と言うのも既にバブルによって上がりきっているからです。

バブルの中には、ヨーロッパ中央銀行が、量的緩和をするだろう、と言う予測も織り込まれていたので、今回の決定でさらに上がると言う事はないと私は考えています。

 量的緩和とは何でしょうか。これはどんなに金融に興味がない人にも知っておいていただきたいことです。

 アベノミクスが戦後最大、私から見れば原子爆弾を落とすような量的緩和を行いましたが、
 その国全体に流通しているお金の総量を増やすこと
 もう少し簡単に言うと紙幣を発行しまくって、経済市場に流すことです。

 日銀(日本中央銀行)を例にとってお話しします
 
 造幣局が紙幣を発行する、たくさん発行する。そこまではわかった。でも経済市場に流すってどういうこと? 具体的には誰が受け取っているの? と思う方もいらっしゃるでしょう。

 1まずは大きな民間銀行(UFJ みずほ〜信用組合まで)が受け取ります。

 たくさんお金が刷られました。日銀はその札束を使って民間銀行の国債を買い取ります。
 民間銀行は、債券を失った代わりに現金を得ます。

2 巨大企業が受け取る

民間銀行は無理やりたくさんのお金を渡されてしまったおかげで、より多くの金額を企業に融資することができるようになります。

3 個人が受け取れる(かもしれない)

お金を受け取った企業が、有効な事業を施行して利益をあげれば、間違いなく新しい需要と供給が生まれ、景気は良くなりますよね。

実はここまでが日本政府、日銀の目的で、当時実際に景気は回復しました。

アベノミクスで1番批判されているのは、膨大にすった紙幣が、大株主には行ったものの、普通に生活をしている人々には届かなかったことだと言われています。

企業は従業員の給料をあげることができます。
しかしあげることができるだけで、あげずに、流れてきたお金をただ翌年の新しい事業への投資に使うこともできます。
実際にアベノミクスでは、多くの企業が利益を上げながらも、従業員の給料を上げませんでした。
 
今回の欧州中央銀行の政策で、果たしてコロナで収入を失った人たちの生活は改善されるのでしょうか?

今週はこのあたりで。

A bientôt.

T.Ninomiya