CLOについて(続コロナショック)
このブログでは、植物昆虫図鑑を眺めて楽しむように、金融や投資について語っていければと思っているのですが、コロナショックという緊急事態なので、現状をより理解できる記事を書きたいと思います。
昨日23日、ダウが記録的な下落を続ける中(もはや一月の半分の価格、つまり元に戻れば200%の利益です)
日経平均が上がりました。これは、ヨーロッパがスーパーマーケット以外の外出に対し、罰金を取るようになり、完全に経済が凍結したのに対し、日本人はその世界的に知られる国民性である臆病さから、マスクの徹底着用をしたことにより、先進国最小ともいえる、感染者すうである、ことによる日本買いが起こっている、と私は考えています。
コロナウイルスそもそも、武漢の人がコウモリだか蛇だかを食べてそこから発症したとか、最近知りました。イタリアで感染者が爆発したのは、武漢から感染者がローマに旅行し、イタリアはイタリアで日本と真逆の気質から一切マスクなどせず、いつもどおりハグ、キス挨拶をしていたら広がったということですが、アメリカ、イギリスに対して力を示していたいヨーロッパにとっては手痛い負い目でで、ますます今回の一件についてトランプ中心に動くことを余儀なくされてしまいましたね。
コロナ感染、当初はここまで拡大するとは全く思っていなかったので、かかっても病院で仕事すればいいか、くらいだったのですが、もう世界恐慌への連鎖を懸念せずにはいられません。
PMI(企業購買担当指数)は絶望的ですし、アメリカの失業率が大幅に予想を下回れば、アメリカ株、世界株はより売りのトレンドに入り、下がる一方です。
アメリカ株が売られることでの最大の懸念は、「倒産」ではなく一社二社の倒産をきっかけとして、「世界中で勃発する恐慌」なのです。が、どうして一社二社の倒産が世界恐慌に直結するか、CLOという言葉を使って説明したいと思います。
CLO(collateral loan obligation)
ローン担保証券の略なのですが、以前ドイツ銀行の項目で説明したCDS(credit default swap)に少し似ています。
(CDSについて詳しくはこちら
https://kaigaihoken-kenkyu.com/ドイツ銀行問題の見方/)
共通点は、
1投資大好き国家アメリカが産んだ派生商品
2誰かがが金利をつけてお金を貸していることで得ている利益を、お金を払って貰っちゃう点
です。
発行元は、まあほとんどが銀行だと思ってください。
銀行は企業に金利をつけてお金を貸す。
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企業の返済により銀行は利益を得る。
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返済力の低い企業ほど(倒産リスクの高い企業ほど)高い金利を課される。
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現在アメリカも低金利に悩んでいて、投資家にとって銀行に預ける、国債を買うなどの選択はあまりに魅力がない、
⬇︎
銀行はしめたと思い、融資してあげている企業の返済を担保にして証券を作り、投資家にに販売する。
倒産しそうな企業ほど金利が高いので、ローリスクローリターンからハイリスクハイリターンまで商品を作れる。
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投資家目線では
企業が倒産しなければ、予測通りの利回りを手にすることができる、万が一、倒産した場合、投資額全てがぱあというわけではなく、70%は帰ってくる。
☆この倒産しても帰ってくるという点がまさに、CLOの特徴でCDSとの差異あり、投資家が預金や債券投資の代わりに好んで用いる理由だ。
ーCDSも誰かの借金についた金利を頼りに証券化されるが、CDSには担保がないので、債務企業が破綻した場合何ものこらない。CDSはあくまでリスクの移転であり、債権を担保にはしていない。
これらの差異がリーマンショック時に命運を分け、CDSをウォール街が生み出した爆弾、悪魔とし、CLOを長期的に信頼できるものと位置づけました。
しかし、今回のコロナショックで、リーマンブラザー図のように評価がAAAではない、恐慌がくれば潰れて打倒な、評価BBB以下のクラスの上場企業が破綻したとします。
そのBBB以下のクラスの企業のCLOを持っていた投資家(法人含む)は大打撃を受けます。投資家もコロナウイルスさえ来なければ、それほどリスクが高くはなかったCLOが、一気にハイリスクとなったので、防ぎようがありません。
一つの企業A破綻
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その企業Aの債権を担保としたCLOを持つ企業Bの破綻。
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さらに企業BのCLOを持つ企業Cの破綻
というのが最悪のシナリオです。
この最悪のケースの防ぎ方は、ワクチンを作る以外にも多々あると思いますが、
それよりもまず破綻の原因が、投資家たちの売り熱の過激さが作った類例のない下落にあり、それにより会社から資産が引き上げられ、結果会社に回せるお金がなくなってしまったことにあると私は考えます。
そう考えるとと空売り、空売りで利益確定させる投資は、まったく社会のためにならない、と言うことができない。
投資家は個人資本を増やすことが目的なので、他人がどうなろうと知ったことではない、といのが根本原理にあるので、しかたのないことなのですが。
ご拝読ありがとうございました。
質問あれば、いつっでも個別にご連絡ください。
アナリスト
二宮利徳