▼金融の基礎知識

欧米での年金モデル

日本の保険会社の営業マンに皆さんは会ったことがありますか?

日本の保険会社の営業に皆さんあったことはありますでしょうか?そして資産形成系の保険を提案されたことはありませんか?
そのプランを表した図は積立期間の三角と、年金期間の三角を合わせたような二等辺三角形になっていませんでしたか?
積立期間は毎月資産を積んでいき、それにより月利がかかっていくので、資産が増えていく図が三角形に似た図になるのは当然です。

年金期間の三角形は何を意味しているでしょう?

例えば65歳に退職するとして、その時までに5000万円積み立てたとします。日本の保険だと外貨立ての最も良いもので、30年積立で元本の140%になるくらいなので(利率2.4%)、逆算すると元本は3570万となります。(投資家は毎月約10万円も積み立てていたのです)
そしてその投資家が老後に年間使いたいお金がいくらかというのを年間250万と設定すると、5000万円を毎年250万円ずつ、20年で消費し尽くして最後は資産ゼロになるという図式ができます。(厳密には、減衰する中でも、残された資産にわずか利率がかかるので22〜23年くらいはもちこたえられます)
この年金期間の積み立て資産が減っていく図を表したのが、年金期間の三角形となり、積立期間と合わせて、左右不対象な三角形の図ができあがります。

金融先進国では、三角形のライフプランモデルは使われません。

ところが欧米、特に金融先進国では、このような三角形のライフプランモデルは使われません。
ではどのような図かというと、それは積立の三角形までは同じですが、年金時の減衰の三角形のがない、総資産の頂点を保ったまま、年金期間を進むという図式になります。
どういうことか。
年金原資が同じ5000万円貯まっていたとしましょう。先ほどはそれを削っていくモデルでしたが、「高い複利で運用できる」という観点が削る必要性をなくします。
これまで積立のために使ってきた複利を年金を得るために使えばいいのです。
簡単な話です。この投資家が長期的に7%を出しているファンドでこれまで積立ててきたとすると、毎年350万円を年金原資を一切減らすことなく、手に入れられます。(ちなみに利率7%だと、先ほど30年間毎月10万積まなければ手に入らなかった5000万円が、月4万3千円での積立で手に入ります)
日本の年金モデルだと、いつか使い尽くすときがきますが、原資が減らないなら長生きしても安心ですよね。
ファンドなので、毎年7%出るわけではありません。3%のときがあれば、10%のときがあるかもしれませんが、別にいいのです。3%の年は原資を少し崩して年金に回し、10%の年は、500万円まるまる使わずに少し原資に戻してもいいのです。