ファンドを買いたい場合の、海外保険会社を通すメリットとデメリットという視点から見てみましょう。
海外保険はファンドを買うサービスとして確かにメリットが多いものですが、それはなぜかと聞かれて答えられる人はほとんどいません。
海外だから良い、なんていうこともありません。
そしてメリットを答えられないということは、すなわちデメリットも知らないということになります。これが曲者です。
基礎的な金融リテラシーのある人が、海外投資を勧められたときに頭に上るのは「海外なんて危ないんじゃないか」ではなく
「海外のファンドへ投資できるようだが、日本の証券会社窓口で買うことはできないのか?買えるとしたらにNISAを使うことはできないのか?その方法で購入するよりも海外の方が良いのか?安い手数料でファンドを買えるのか?」
という疑問です。
つまり海外保険のメリット・デメリットととは、日本国内でファンド投資をすることと比較してのメリット、デメリットを意味しています。
この日本人投資家の疑問は次のように置き換えて考えた方がわかりやすいと思います。
海外保険とは一言で言えばファンドへの分散投資システムであることはすでに述べました。
では欧米で、ある個人がファンド積立をしようとした場合、「証券会社を通して単一ファンドを選び投資するのか、それとも保険会社を通じた方が良いのか、両者のメリット・デメリットは何だろう」という問いが生まれるはずです。
一般的な方法
ネット証券を含む証券会社を通じてファンドを買う場合
メリット
- いつでも買いいつでも売れる(現金化できる)
- つまりいつでも買いまし売りましできる。
- ファンドを完全に自由に自分で選べる
- 運用に関する手数料はファンドへの信託報酬報酬だけと明瞭
デメリット
- ファンドのスイッチングに手数料がかかる
- NISAなどの制度を使わないと、益税が源泉徴収で取られる
- メリットの裏返しで、知識がなくても自分でファンドを選ばなければならない。(営業マンを使う可能性は除外)
海外保険システムを使ってファンドを購入する場合
メリット
- ファンドのスイッチングが無料
- 保険会社が世界最大手のファンドばかりをプラットフォームに集めてくれている
- 非課税の状態で総資産を受け取れ、(保険会社は脱税を勧めているわけではない)納税地域を選ぶことができる。
- 早期引き出しが難しい代わりに、保険会社が割合に応じた益金を加算してくれる。これで手数料が相殺できると捉えられる。(会社による)
デメリット
- 資産を満期前に引き出すのが難しい。(会社による)
- 買いたいファンドがプラットフォームにない場合は買えない
- 手数料が高い場合が多い。(会社による)
- 1に付随するが、プランの途中解約、途中払済をしても総資産を引き出せない。それどころか早期解約ペナルティを取られる。(会社による)
総評すると、ファンド投資を、一般的な方法ではなく、海外保険会社を通してやる場合は、
☆老後の貯蓄などの長期投資のためのファンド投資を考えていて、短期での利益追求を考えていない。
☆だから保険会社を通すことで、ボーナスと税制上の優遇を受けたい。
このような志向でファンド投資に臨む方だけが、海外保険会社を使うのが適切だと言うことができます。