ボラティリティー(リスク)について
投資においてリターンといえば誰でも複利を思い浮かべますが、リスクが何かといえば、勘違いをされている方が随分いる、と感じています。というのも、ある投資信託ついて「これまでの平均年利~%という実績で出ていますが、今後マイナスになることはないのでしょうか?」と聞かれることがよくあったからです。それらの方は、一年でもマイナスがでてしまうことを、不安に感じられていました。もしファンド投資について長期的戦略をもっていれば、一年間マイナスでも五年うちの四年間、また十年のうち九年間プラスであれば、何の問題もありません。(短期的な売買は、高騰する根拠がないかぎりするべきではありません)
リスクとはそういうものではありません。金融においてリスクとは、ある利益を出すために必要とする不確定性のことを意味します。
例えば、ある一年間の利回りが7%のファンドがあったとします。しかしそのファンドのチャートを見れば、時間と利益が比例し、直線を描いているわけではなく、利益と損益を繰り返して、波を作りながら右肩上がりになっています。この直線と、実際の波の間のぶれ幅がリスクであり、統計学における標準偏差(standard deviation)を求める計算式から、リスク○%と数字で表されます。当然、同じ年利を叩き出すファンドが2つあるとすれば、リスクが低い方がより安定している優秀なファンドだと言うことができます。
ファンドにおいて、リスクは特にボラティリティー(volatility)という言葉で表され、各ファンドの運用実績に書かれています。場合によっては、リスク、あるいは標準偏差、と書かれていることもあります。
例えばある5年間のファンドの平均年利が7%と書かれていて、ボラティリティーが3%と書かれていた時、次の5年間の年利が4%から10%のうちに(上下3%以内に)収まる確率が68.3%、1%から13%のうちに(上下3%×2以内に)収まる確率が95.4%となります。
ボラティリティについて理解された方は、是非シャープレシオについても見てみてください。