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今なぜこんなにも円安が続いているのか

今、外国為替市場ではドル円相場を中心に、円安ドル高のトレンドがかなり力強く進んでいますね。

今年2021年の1月頃から、それまで一年近くも続いた円高ドル安の流れが一転、ドル高円安のトレンドが始まりました。まずこのタイミングでどうしてドル高に流れが変わったのか、またこのドル高円安の流れが今もまだ力強く継続している状況の背景にある原因とマーケット・参加者の心理思惑を、コロナの始まりから時間軸をざっくり複数に分けて解説していこうと思います。

パンデミック混乱〜ワクチン摂取開始(2020/3,4-2020/12)

各国金融緩和政策によるの金融相場⇒政策金利の低下・長期金利の低迷=ドル安相場

ワクチン接種開始(2021/1頃)〜

アメリカのバイデン新政権誕生による追加の金融政策(金融緩和)期待⇒経済回復の見通しが立ってきて債券価格の下落(売り)により長期金利の上昇期待⇒投資家のドル買い&今までのドル売りポジションの利益確定&ショートポジの買い戻しによるドル高トレンドへの転換

2021/1-現在〜

ここから更に現実味を帯びてきたアメリカ経済の回復に伴うさらなる長期金利の上昇期待によってドル買いが続いている現状(一度日がついた投機筋により作られたトレンドはなかなか収まりづらい)=ドル高円安継続

今年1月にあれだけ大きなトレンドの転換が起きた背景には、もちろん金利上昇期待による米ドルの需要が上昇したこともありましたが、それと同時に、同じく金利の上昇に伴う株式市場の下落不安により、リスクオフムードになったことでのポジション解消もあいまったことがあります。このダブルパンチで今までの円高ドル安トレンドから一転、短期間のうちにぐいぐいとドル高円安の流れが形成されていきました。

そこから現在までこのドル高円安トレンドは引き続き維持されています。この流れをつくっている大きな要因は、やはりアメリカの経済と財政政策です。今年に入ってからずっと「アメリカ経済はコロナ前の水準に戻ってきたか」、「そろそろFRB(連邦準備理事会というアメリカの中央銀行的な機関)は利上げをしてくるか」等あちこちで言われ注目されてきました。利上げ(金利の上昇)は基本的に株式市場にとってはネガティブなイベントです。それだけに、常に金利の動向に敏感になっている相場が続いています。

ちょうど先日、FRBは今年の11〜12月にテーパリング(金融引締:tapering)をする予定との発表しましたね。ついに引き締めが目前に迫って来たということです。しかし、この発表に対して株式市場はほとんど反応はしませんでした。これは、市場はすでにテーパリングを織り込ん

でいる可能性があるかもしれませんね。

と少し話が逸れましたが、この金融引締が始まるとその主要な政策として本格的に利上げが始まります。これは経済が回復・成長の段階に入り、インフレ率が一定水準を一定期間上回るという条件の発生に基づいて行われる、景気の過熱感を冷ます対策です。金融緩和で市場に大量にばらまかれたお金を今度は回収していこうというです。そして利上げ(金利の上昇)は基本的にはその国の通貨の需要増加を引き起こします。つまりドル円で言うとドル高円安になるということです。しかしこのドル高円安トレンドはすでに進行中であり、相場はかなり短期的にドル高方向に動いています。もしすでに利上げが織り込まれている上でのこの動きなのであれば、もしかするとこの短中期的なドル高円安トレンドは一旦落ち着くのもそう遠くないかもしれませんね。(相場は期待で上がり、事実で下がるというように)