初期口座とは何か
海外積立をすると、2年間はお金を引き出せません。解約しても何も返ってきません、という説明をどの会社の営業マンもします。
この2年間を初期口座期間と呼びます。
(満期の長さにかかわらず一律2年が基本的ですが、設定した満期に比例して一年半、三年、などと期間を変える会社もあります。)
海外積立の商品を販売している保険会社はどこも違う国籍なのに、どうして共通しているのでしょう? 日本にはそんな縛りを持った積立商品などないのに。
その解答は「欧米の金融商品のスタンダード」から、日本が大きく遅れているから、といえます。
日本在住の日本人が加入できる海外保険積立の会社は10社程度ですが、欧米の保険会社の個人年金向けの積立商品は、それぞれ数値は違いますが初期口座・ボーナス・解約違約金などの同じフォーマットを使っていると考えてください。
初期口座は何のために設けられているのか。
まとまった資金を確保して運用し、保険会社の売り上げと投資家に払うボーナスに変えるためですが、その2年間の積立分を、直接運用しているわけではありません。
初期口座中にできることできないことはありますが、保険会社にとってデメリットとならないことはできます。
つまり
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できること
増額、ファンドスイッチ
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できないこと
引き出し(部分解約)、減額、支払い停止
ここで重要なのは、減額できないということです。
営業マンのコミッションはこの初期口座の積立料に合わせて、初期口座期間と同じ期間中支払われます。なので、高い金額を営業マンに設定させられた方を多く見ましたが、決して初めから無理な金額は積まないでください。
それ以外にも初期口座の積立を多くしすぎることが危険な理由はあります。
気をつけた方がいいのは、会社によっては、常に投資元本の○%ではなく、初期口座期間中に積まれた金額に対する○%が、満期まで手数料として取られるーつまり初期口座価格がそれ以降保険会社に引かれる手数料を決定してしまう、という手数料体系を取っている場合があるからです。
初期口座型手数料体系について、詳しくはこちらの3-2を参照ください。